鮮やかな熱帯の陽光に包まれ、カリブのそよ風に優しく撫でられながら、夕陽はカルタヘナの400年もの歴史を持つ家々を魅惑的な金色に染め上げる。1533年にペドロ・デ・エレディアによって設立されたこの世界遺産都市は、コロンビア北部の重要な港であり、依然としてコロニアル建築の生きている博物館として存在している。旧市街を散策することは、スペイン植民地時代に戻ったかのような感覚を与え、歴史は石畳の道の一つひとつにささやきかける。

カルタヘナは、16世紀半ばにスペイン植民者が南米から奪った金銀を運ぶ中継地点として重要な役割を果たし、またその時期には活況を呈した奴隷市場でもあった。17世紀初頭にはラテンアメリカで3番目に大きな都市となったが、その後衰退した。

1917年以降、マグダレナ川流域での油田の発見と開発により、この都市は再び繁栄を取り戻した。海岸線に位置するカルタヘナは、蒼い海と黄金色の砂浜が織りなす絶景を誇り、美しい海岸の楽園として知られるようになった。この絵のように美しい景色は、観光客、夏の避暑地、そして国際会議の場として人気を集めている。

三方が水に囲まれたこの都市は、豊かな緑に満ち溢れ、古代の城壁、教会の尖塔、そしてモダンな高層ビルがソフトクリームのような白とパステルブルーに調和し、美しい傑作を形成している。

カルタヘナの壁内には、この都市の歴史の心臓部があり、ノーベル文学賞受賞作家ガブリエル・ガルシア・マルケスが不朽の物語を生み出すきっかけとなった場所だ。コロニアル時代には、スペイン人は印象的な11キロメートルの防衛施設を建設し、現在ではこの都市の象徴となっている。歴史の魅力に浸るために、自分自身を世界の喧騒から解放し、ゆっくりと過ごすことが大切だ。

1984年、UNESCOはカルタヘナの文化的意義を認め、世界遺産に登録した。


